2007年6月17日日曜日

日本語で徒然と。(Only in Japanese)

 今年は葉の色が深くなるのが早い。恐らくは猛暑が原因と思われる。新緑の季節を待ち望んでいた僕は、早すぎる季節の変わりように少しがっかりしている。昨冬のアメリカでの寒波は、今年の猛暑を予感させ、覚悟はできていたものの、いざ猛暑の入口に立つと、うんざりする思いである。今年は暑い。世界のどこかで誰かが、巨大な焚き火をしているに違いない。



 来週は東北へ旅行する。仙台、松島、米沢、会津をまわる予定だ。仙台と言えば牛タンと伊達政宗と仙台城である。松島と言えば日本三景のひとつ、そして松尾芭蕉である。米沢は伊達政宗の生誕地でありかつ、上杉十五万石の城下町である。そして米沢で上杉と言えば鷹山である。会津と言えば白虎隊である。白虎隊の自刃の地に行って、彼らが切腹する前、どのように鶴ヶ城を見たのか確かめたい。この段落で述べた人物は、日本史上の有名人物であるが、おそらく海外の人はあまり知るまい。



 先週、会津出身の人が「これとあれとそれが載っているガイド本を買いなさい。」と勧めてくれた。少し高揚していて会津人としての誇りを語ってくれた。会津人は山口県民が嫌いであると聞く。その理由は勿論、明治維新だ。敵だからである。勿論、敵は山口県民だけではなかった。薩摩もいたし、土佐もいただろうし、その他の敵の中に、赤い綿帽子をかぶった僕の先祖もいた。さすがにそのことは言えないので、先祖のことは伏せておいた方が良いだろう。官軍を馬鹿にしても、にっこり笑って頷いていれば良いだろう。(笑)



 話題を変える。妙に円安が進行している。主な理由は、円キャリートレードと海外投信であると言われている。円キャリートレードとは、外国人が金利の安い円を借りて、それを金利の高い外国通貨に替えて、外国で運用するものだ。円が売られるので円安になる。海外投信の場合は、日本人が外国に投資するので、円が売られて円安になる。実は日本は、日米貿易摩擦の頃とほぼ同じ金額を海外から稼いでいる。昔はその殆どがアメリカとの貿易によるものだったが、今は投資信託が大きなウエイトを占めているそうだ。言うまでもなく、日本に投資するよりも、新興国に投資した方がずっとリターンが良い。



 おそらく中国に二年前に投資した人は、資産が四倍になっているだろう。ただ、中国投資はいつもリスキーである。中国は日本のバブル崩壊について、かなり詳しく研究し、研究結果を自国の経済政策に活用しているようだ。先日、株取引における印紙税率をアップさせたが、これは回転率を抑制させることが目的であるらしい。バブルを興す国では、実質的なGDPはあまり成長しないものの、預金回転率なるものが急激に上昇するらしい。回転とはつまり、預金の保有者が何回変わったかを表すもので、天下の回りものである金が、どれだけ世間を駆け巡ったかが分かる。異様に回転すると、バブルが発生している証拠となる。株式市場での回転率を印紙税の引き上げによって、抑制しようという政策なのだそうな。なるほど、さすがに商売上手の中国だ。日本ではこの預金回転率という考え方はないらしい。



 日本のバブル崩壊は、大変みっともないもので、個人も会社も官もみんながこの回転の中へ飛び込んだ。バブルが崩壊し、日本のバランスシートが大規模かつ全体的に崩壊し、復活までに十五年を要した。中国のバブルに関しては、まず個人が株取引にどっぷり浸かっていることは間違いない。個人だけが負債を抱える分には、それほど大きな影響はないと言われている。しかし、官が加わっているかどうかが定かではない。もしも官が加わっていたならば、加わった分だけリスクが大きくなる。国全体のバランスシートが崩れるからだ。日本のバブル期に台湾でも回転率が上昇し、株価が高騰後に八割減となったが、官が加わらなかったため、大事に至らなかった。



 預金回転率については、リチャードクーという野村証券のアナリストがテレビで言っていた話である。彼は中国系で日本とアメリカで育った。彼はアメリカ経済についても述べている。サブプライムローン問題を軽視している傾向があるが、今後、実際にどのような影響がでるかは定かでない。日本でもバブルは株屋や不動産屋だけの問題だと思われていたが、実際はそうではなかった。油断できない。バーナンキ氏やグリーンスパン氏の懸念は、まっとうなのだそうだ。



 リチャードクー氏の話を聞いていて、バブル崩壊の経験が他国の為に役立っているのなら、少しはバブルにも意義があったということだと思った。外務大臣の麻生太郎風に言えば、「先駆する国の役割の一つは失敗し、教訓を提供することである」ということだろう。しかし、地球環境が崩壊してしまえば、教訓を受け継ぐ人もいなくなるかもしれない。



 外国人にとっては、かなり内容の難しい日本語になってしまった。まぁ、しかし、たまには良いではありませんか。



 今日もアジサイの写真です。奇麗ですね。



 良い週末を。



 宏成

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